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出生地主義と血統主義が衝突した結果、カナダにオランダの領土?が出来た話

俺はどうやって日本国籍をゲットしたんだろう。

 

そんな事をふと思ったきっかけは以下のニュース

 

「とても悔しい」日本で生まれ育ったタイ人少年「退去処分」取消し請求、二審も棄却 (弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース

 

日本で生まれ育ったら日本人なのだろうか

そんな事を思いながら調べてみた。

 

 

 

産まれた時に取得する国籍の考え方

 

産まれた時に、人は国籍を取得する(出生届出さないとダメだけど)

国籍取得の考え方について、ざっくりと世界には二つの考え方がある。

領土の話の前に、こちらをさらりとまとめてみる

 

出生地主義

産まれた国の国籍を取得する。って考え方。

現在 アメリカ、アルゼンチン、カナダ、アイルランド、ブラジル で採用されている

 

つまるところ俺は、両親は日本人だけど、もし何らかの事情で(旅行中、親の異動など)アメリカやアイルランドで産まれていたら

アメリカ、アイルランドの国籍をゲット出来ていたって事なんですな。

 

血統主義

親のどちらかの国籍が子の国籍になるって考え方

血統主義でも実は二つに分かれていて

 

両親どちらかがA国の国籍の場合、生まれてきた子供はA国の国籍を取得出来る。

父母両系血統主義

 

父親がA国の国籍の場合、生まれてきた子供はA国の国籍を取得出来る。

父系優先血統主義

がある。

 

図で説明するとこんな感じ

 

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※両親ともA国籍の場合は、血統主義の場合、当然子供はA国籍なので除く

 

父母両系血統主義の場合、パターン1、2どちらも子供はA国の国籍を取得できる

 

父系優先血統主義の場合、パターン2の場合は、たとえA国で産まれても子供はA国籍は取得できない

 

因みに父母両系血統主義の国は

日本、アイスランド、イスラエル、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、タイ、中国、韓国、デンマーク、トルコ、など

 

父系優先血統主義の国は

アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク、イラン、インドネシア、エジプト、オマーン、クウェート、サウジアラビア、シリア、スーダン、など

 

パッと見てわかるように、中東、イスラム教の国に父系優先血統主義が多い。

 

出生地主義と血統主義の衝突

 

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この図の場合、子供は二重国籍となってしまう。

 

なぜなら、アメリカで産まれようが

血統主義の日本の場合、子供は自動的に日本国籍になるし

アメリカで産まれたので、出生地主義のアメリカ的には、子供はアメリカ人なのだ。

 

一般人の場合、そこまで問題にはならないが

もし、この図の子 が、どこかの国の王族だったら・・・・・?

 

出生地主義と血統主義が衝突した結果、カナダにオランダの領土?が出来た話

 

 

世界飛び地大全 (角川ソフィア文庫)

世界飛び地大全 (角川ソフィア文庫)

 

 

この、筆者の愛読書である、世界飛び地大全より紹介

 

古今東西、様々な飛び地について綴ってある、マニアックだが地理、歴史好きには

もう堪らない本なのである。

多分、日本で一番飛び地について詳しく書いてある本だろう。

 

かいつまんで紹介

 

第二次世界大戦中

オランダは1940年、ドイツに占領された

 

その直前、当時のオランダ女王はロンドンへ亡命し、オランダ王国の亡命政府を作る

 

が、イギリスにも激しい戦火が迫ってきたため、万が一を考え

王室は王位継承者のユリアナ王女をカナダへ疎開させた

 

ユリアナ王女はカナダで妊娠し、出産を控えてオタワ市民病院へ入院

 

が、ここで問題になったのが、オランダの国籍は血統主義

イギリスは出生地主義だという事(カナダの国籍法は1947年に制定されたので、それまではカナダ人はイギリス国籍)

 

この場合、オランダ人の子供はどこで産まれてもオランダ人だが、ここはカナダなので、自動的にイギリスの国籍も与えられてしまう。

つまり二重国籍状態になってしまうという事。

 

オランダは二重国籍を禁止しているので、オランダ国籍を失う可能性が生じてくる

もちろん国籍を失えば、王室のメンバーの資格も失ってしまう。。。。

 

さてどうしたものか。。。。。

 

カナダの議会は、出産を前に

 

「オタワ市民病院産科病棟のスイート病室4部屋を、オランダの排他的治外法権区域とする」

 

という特別法を制定

排他的治外法権区域というのは大使館の敷地と同じ扱いで、とりあえず病室にカナダの法律は及ばなくなり、子供が生まれてもカナダの法律に基づいたイギリス国籍は与えられなくなった。

 

結果、無事にユリアナ王女は女児を出産、マーガレットと名付けられた

マーガレット姫は戦争が終わり帰国したが

カナダ人の心遣いに感謝し、チューリップの球根10万個をオタワに贈った

 

結果、オタワはチューリップの街になり、毎年チューリップフェスティバルが開かれるようになりましたとさ。

 

 

 

こんな大がかりな事をしなければいけないぐらい

国籍の問題っていうのは根が深い問題なんですなぁ。。。。

 

 

こんなエピソードが沢山載っている

世界飛び地大全 ぜひ読んでみて下さい!!

 

 

世界飛び地大全 (角川ソフィア文庫)

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